「産後は誰でも不調があるもの」
「みんな疲れているし、これくらい普通だよね」
そんなふうに、自分の不調に目をつぶっていませんか?
でも、その体や心のサイン、本当に「よくあること」でしょうか?
このブログでは、助産師として、そしてNICUでの経験をもとに、産後に気をつけたい体と心の不調について、わかりやすくお伝えしていきます。
産後に注意が必要な症状
日々の慌ただしさの中で、自分の体を労る時間ってなかなか取れないですよね。
ですが、その「疲れ」や「眠気」の陰に、見逃しがちな不調が隠れていることがあります。
次のような症状が見られる場合は、我慢せず、受診を考えてみてくださいね。
1. 発熱や悪寒
受診の目安:
- 高熱(38℃以上)が24時間以上続く
- 発熱に悪寒や体の痛みを伴う
- 排尿時痛、残尿感などの膀胱炎症状がある
原因:
- 子宮内の異物残留
- 会陰の傷口の感染
- 膀胱炎
- 乳腺炎など
2. 長引く出血
受診の目安:
- 産後2週間以上経っても赤色の出血が続く
- 産後1週間以上経過後に再び出血が増える
- 産後1週間以上経過後に再び大量の血の塊が出る
- 強い悪臭がある
原因:
- 胎盤や卵膜の一部が子宮に残存している
- 子宮筋腫、子宮内感染
- 分娩に時間がかかった
- 尿の我慢、便秘
- 多胎分娩、羊水過多、巨大児分娩による子宮筋の過剰伸展
- 分娩時の難産、早産、大量出血
3.立ちくらみ、めまい、動悸
受診の目安:
- 立ちくらみ、めまい、動悸が頻繁に起こる
- 他の症状(倦怠感、頭痛など)を伴う
原因:
4.骨盤まわりの痛み
受診の目安:
- 歩けないぐらいの激しい痛み
- 痛みが数週間以上続く場合:痛みが数週間以上続く場合は、受診を検討しましょう.
- 日常生活に支障が出る場合:日常生活に支障が出るような痛みがある場合は、無理をせずに受診しましょう.
原因:
- ホルモンバランスの変化
- 骨盤の開き
- 出産による骨盤や靭帯への負荷
5. 乳腺炎
受診の目安:
- .痛みや腫れがひどい
- 発熱(38℃以上)がある
- 乳房が赤く腫れ上がっている
- 腕の下のリンパが腫れている
- 乳首から血の混じった分泌液が出ている
- 乳頭に傷があり、痛くて授乳できない
原因:
- 乳汁のうっ滞
- 細菌感染
- 下着による乳房の圧迫
- 疲労、ストレスなど
6. 尿もれや排尿の違和感
受診の目安:
- 産後3ヶ月経過しても尿もれの改善が見られない
- 量が多く日常生活に支障をきたす
- 排尿時痛や血尿
原因:
7. 会陰の傷の悪化
受診の目安:
- 入院中よりも痛みが増している
- 膿のようなものが出ている
8. 心の不調
【受診の目安】
- 理由もなく涙が出る
- 赤ちゃんが可愛いと思えない
- 夜眠れない
- 自分なんていないほうがいいと思ってしまう
このような症状が2週間以上続くときは、産後うつや適応障害の可能性もあります。
一人で抱えず、助産師やカウンセラー、心療内科など、信頼できる専門家に相談してみてくださいね。
「おかしいな」と感じたら、がまんしないでくださいね
以下のような症状がある場合は、遠慮せずに受診を検討してみましょう。
- 38℃以上の発熱が24時間以上続く
- 痛みや不調が数日間良くならない
- 育児や日常生活に支障が出ている
- 気持ちが落ち込んでつらい、赤ちゃんが可愛いと思えない
これらは「みんなも同じはず」と思い込まずに、どうかご自身の心と体の声に耳を傾けてあげてください。
早めに受診することで、心も体もぐっと楽になることがあります。
産後は、心身ともにとても大きな変化がある時期。
「これって普通かな?」と迷ったときこそ、経験者や専門家の手を借りてみてくださいね。
あなたの毎日が、少しでも軽やかで優しいものになりますように🌿
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ABOUT ME

資格:看護師、助産師、チャイルドボディセラピスト1級、離乳食アドバイザー、幼児食アドバイザー資格取得。
BSケア研鑽中。訪問助産を開始したら予約フォームを設置いたします。
1児の母でもあります。育児のお悩みがあれば、お問い合わせください!!
NICUでは母子の愛着形成の大切さを学び、
地域に密着して母親を支えたいと思い、現在は小児科クリニックで日々奮闘しております(*´꒳`*)
親子が笑顔で過ごせる活動を行なっていきます★彡