産後うつかも?ママの心を守るセルフケア術
〜「がんばってるママ」こそ、ちゃんと休んでいい〜
こんにちは。助産師であり、現在は小児科に勤めながら子育て中の私ですが……
そんな私でも、出産後は何度も心が折れそうになりました。
何をしても赤ちゃんが泣き続け、
眠れない日々の中で、ふと「わたし、ちゃんとできてるのかな」って涙が出る夜もありました。
これって産後うつ?
そんな風に感じたママに、まず伝えたいことがあります。
それは「あなたが弱いわけじゃない」ということ
産後の女性は、ホルモンバランスが急激に変わるだけでなく、
生活も、睡眠も、自分の時間も、がらっと一変します。
それは、どんなに強い人でも、どんなに育児に慣れている人でも
心が揺らぐのは当たり前のことなんです。
産後うつとは
産後うつとは、出産後にあらわれる抑うつ状態のことです。
一般的に、出産から数週間〜数か月以内に起こりやすく、次のような症状が見られることがあります。
- わけもなく涙が出る
- 気分が沈み、笑えなくなる
- 赤ちゃんがかわいいと思えない
- 食欲がない/眠れない
- イライラする
- 自分を責めてしまう
- 生きている意味がわからなくなる
出産によるホルモンの急激な変化、睡眠不足、環境の変化、育児ストレスなど、
たくさんの要因が重なって、心が限界を迎えてしまうこともあります。

けっして珍しいことではなく、誰にでも起こりうることです。
ママの心を守るために、今日からできる5つのセルフケア
①「泣いてもいい」と自分に許す
理由がわからなくても、気づけば涙が出てしまう。
赤ちゃんを育てるというのは、想像以上に心も体も使うこと。
「泣いちゃいけない」なんて決まりは、どこにもありません。
むしろ、涙は心が必死にSOSを伝えてくれているサインです。
だからこそ、どうか責めずに、そっと自分に声をかけてあげてください。
「よくがんばってるね」
「今は泣いてもいいよ」
「大丈夫、あなたはひとりじゃないよ」
その言葉が、ママ自身の心を温かくしてくれます。
② たった10分でも“ひとり時間”をつくる
1日24時間、ママとして動き続けていると、
ふと「自分ってなんなんだろう…」と孤独に思う瞬間、ありませんか?
赤ちゃんが寝ている間に、好きなお茶を飲む。
音楽を1曲だけ聴く。窓を開けて深呼吸してみる。
たった10分でいいんです。
誰かのママではなく、「自分自身」に戻れる時間が、
心をリセットしてくれる小さな魔法になります。
③ SOSは早めに。話すだけで心は軽くなる
頑張っているからこそ、「しんどい」と口に出すのは勇気がいること。
でも、つらい気持ちを抱えたままにしておくのは、もっとつらいです。
言葉にすることで、心は少しずつほどけていきます。
もし話せる相手がいなければ、
紙に書き出すだけでも、自分の気持ちを整理する助けになります。
「助けて」が言えるあなたは、ちゃんと自分を大切にしている人です。
④ 睡眠は“質”を重視して
夜泣きや授乳で細切れになってしまう睡眠。
「眠れないのが当たり前」と思ってしまうかもしれません。
でも、ママの心と体も、少しずつでも癒されてほしいから――
大事なのは、“どれだけ眠ったか”よりも“どんなふうに休めたか”。
赤ちゃんが寝たすきに、ほんの5〜10分でも横になるだけで、
体も心も、ふっとゆるみます。
目を閉じて、静かに呼吸するだけでも、十分えらい。
がんばり続けるママこそ、やさしい休息が必要です。
⑤ 完璧を目指さない
「ちゃんとごはん作らなきゃ」
「部屋もきれいにしなきゃ」
「ちゃんと相手してあげなきゃ」
そんな“〜しなきゃ”に囲まれて、心が苦しくなっていませんか?
大丈夫。
赤ちゃんが元気で、あなたが今日もここにいるだけで、もう十分なんです。
洗濯物がたためなくても、ご飯が冷凍でも、
「今日も生きてた。これで100点」

ママが笑えることが、何より赤ちゃんにとってのごほうびです。
最後に
助産師として、ママたちとたくさん関わってきたからこそ思います。
つらい気持ちにフタをしないでください。
ママの心がしんどいとき、赤ちゃんにもそれはちゃんと伝わってしまう。
だからこそ、「ママ自身の心を守ること」は、赤ちゃんを守ることにもつながるんです。
今がどんなにしんどくても、
あなたの中には、ちゃんと「乗り越える力」があります。
そしてその力は、「誰かに頼ること」から生まれてくることもあるんです。

どうか、あなたが笑える日がまた戻ってきますように。
今日も、ここまで読んでくれたあなたに、
心から「おつかれさま」を贈ります。
